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〈キャプテン サンシャイン〉のことを知りたくて

10月10日、11日。『EUREKA FACTORY HEIGHTS』では、〈キャプテン サンシャイン〉のポップアップショップが開催される。名付けて、『キャプテンサンシャイン マーケット』

今が食べ頃とも言える秋冬の新作を一堂に集めるのはもちろん、デザイナーの児島晋輔さんも接客してくれて、さらに関係性の深い古着屋『ブラケット』やビストロ『ぺリキュール』も出店。年を重ねるごとにトラディショナルなモノづくりに磨きを掛けて、円熟期を迎える〈キャプテン サンシャイン〉の世界観をいろんな方向から知ることのできるイベントとなる予定だ。今回は、そんなマーケットに参加することになった『ブラケット』と『ぺリキュール』のことを聞いてみた。単なる友人のお店というわけじゃなくて、実は〈キャプテン サンシャイン〉にとって欠かせないお店たちなのだという。

Text: Koji Toyoda
Photography: Masayuki Nakaya


“資料”を求めて神山町の『ブラケット』へ。

「みんなはどうか知りませんが、僕の場合は、『さぁ、次のコレクションを考えよう!』というタイミングで、ポルトガルの漁師町のナザレとか、スペインとフランスに挟まれて、独特の文化が発展したバスク地方とか、その時々で気になっている場所へ2週間くらい気ままな旅に出掛けるんです。一昨年はクルマを運転しながらフランスを縦断しましたが、現地の人と同じ目線で知らない場所に身を委ねていると、心の中で次のコレクションの“ムード”みたいなものが沸沸と湧き上がってくるんです。その輪郭を大事に大事に心の中で培養しながら、日本に帰国。次なる洋服のアイデアを求めて向かうのが、渋谷区神山町の古着屋『ブラケット』さんなんです。素直に大好きなお店でもありますが、僕のモノづくりにおいて欠かせない場所なんです」

『ブラケット』が店を構える渋谷区にある神山町は、ファッション雑誌の編集者であった20代の児島さんが仕事に、プライベートに、幾度となく行き来した思い出の場所。言わば、第二の故郷である。
「とにかくいい古着店です。ヨーロッパのワークウェアやミリタリーウェアが中心になっていますが、他のお店と比べても品揃えの奥行きが段違い。とくにレジ前に設けられたラックは、店の中に設けられた小さな“ポップアップショップ”のような佇まいで面白くて。店主の飯田康貴さんが力を注いでエディットした古着が何着も掛けられているんですが、どれもヨーロッパやアメリカの旅で遭遇することができないようなものばかり。いつ来ても新しい発見があるんです」

「今日のラインナップは、パリでも中々お目にかかれない黒いモールスキンJKT。雰囲気の良いパッチワークコレクション、これだけでも他の店と比べても圧倒的ですが、そんなに大きいとは言えない店の片隅には、かなり珍しい刷毛目のワークシャツがさりげなく置いてあったり、中央の棚にはイギリスやフランス、ベルギーなどのヨーロッパのミリタリーパンツがドサっと積まれていたり。その一方で、奥のラックには、‘70〜’80年代のドレスやファッションウェアがしれっと掛けられている。頭デッカチになりすぎず、絶妙な軽さも漂わせた品揃えは、洋服を探す楽しさが詰まっていると思うし、リラックスした気分でじっくりと見れるので新たな発見もしやすいんです。だから、僕の洋服作りにおいて、“資料室”のような存在と言ってもいいかもしれない。実は〈キャプテン サンシャイン〉の定番と言えるカーゴパンツも、この店で買ったフランス軍のM47型パンツがきっかけなんですよ」

火照った体にヴァンナチュールを。

そんな“資料室”でひとしきり調べ物をした足で向かうのが、同じく神山町にあるビストロ『ぺリキュール』。シェフのノブさんとは旧知の仲で、火照った体を大好きなヴァンナチュールのワインで冷やしに行くのが定番のコースなんだとか。

「その昔、まだノブさんが独立する前に〈アナトミカ〉のチームに紹介してもらいました。その後、ノブさんがペリキュールをオープンしてから頻繁に通っています。中々予約が取れないので、席が空いていれば、ここぞとばかりに自然派ワインを延々と飲んでいますね。ブラータトマトとかソーセージ、和牛のステーキなどの手料理もどれを頼んでも美味しいし、その一品にあった自然派ワインをさっとサーブしてくれるんです。『喉越し抜群のビールだよ』とか『大人のレモンサワーだよ』とか、ノブさん流のキャッチーな謳い文句も面白くて、決してワインに詳しくなくても、スッと入っていけるアットホームな雰囲気がまたいいんですよね。しかも、ノブさんの自然派ワインへの愛は深くて、『そろそろ出ようか!』と会計をしている最中にも、『そうそう、このワイン知ってる?』と話が途切れない。『ならば、一杯頂けますか?』というやり取りを繰り返して、3回目のお会計でやっと出られたこともあります(笑)。と、散々飲ませてもらっていますが、銘柄などは中々覚えられず……。いつもノブさんにおまかせです」

と謙遜するが、児島さんの自然派ワイン偏差値がレベルアップしているのは確か。『ブラケット』の飯田さんも然り、その道のスペシャリストたちとの些細な会話の中で学び取った“何か”が、血となり、肉となり、新しい〈キャプテン サンシャイン〉が生まれてくるわけだ。そして、今も昔も神山町が児島さんの創作活動のベースとなっているのが面白い。10月10日と11日は、そんな〈キャプテン サンシャイン〉の、児島さんのパーソナルな一面に触れてみよう。もっと〈キャプテンサンシャイン〉のことが好きになるはずだ。